リバイバルというものが音楽には存在する。
さて記念すべき一曲目のレビューを書こうと思い、真っ先に候補に挙がったのがTHE TIMERSの「タイマーズのテーマ」である。なぜなら私が覚えている限りで、最も古い音楽の記憶がこの曲だからである。私が3~4歳のその時、タイマーズは活動停止中にも拘らずである。
きっかけはよくある話で、私が幼い頃に父親がこのテープをよくかけていたこと。多分他にも聴いていたとは思うのだが、どうにも他の曲を覚えていない。つまり生まれて初めてハマったのが、タイマーズということになるのだ。
今でこそ、この曲の歌詞の意味がわかる。タイマーと大麻をかけているという、言葉遊びだ。なんていう英才教育をしてくれたものだ。しかし当時の私は幼すぎるあまり、大麻どころかタイマーの意味すらわかっていない。完全にノリだけでハマっていたのだろう。
年を重ねると共に、この曲の意味やルーツがわかるようになった。上記の言葉遊びだとか、モンキーズのテーマのカバー曲だとか、そもそも忌野清志郎の覆面バンドだとか。
いずれにせよ私は随分幼い時にハマった結果、7~8歳の頃にリバイバルマイブームが起こってしまった。「昔はこの曲聴いてたなあ」と、たかだか3~4年前のことを懐かしんでいたのだ。年齢を重ねた今の自分からすれば、3~4年というのは最近の話であるが、せいぜいタイマーの意味を知ったぐらいの年齢にとっての3~4年は生涯の半分なのだから、思い返すには充分な時間だった。
原点というものはやはり強い。歌詞に「いつでも君と笑っていたいな」とあるが、私は今もこの曲を聴きながら笑っている。思えば長い付き合いで、おそらくこの後も付き合い続けるのだろう。