ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

SOUL'd OUT/Love, Peace & Soul

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「一番好きなミュージシャンは?」と聞かれたら、私はSOUL'd OUTを挙げる。

 

SOUL'd OUTは一応ヒップホップのグループとして括られるのだが、R&B、ソウル、ファンク、ハウス、ロックなどの要素をサザンや小室系のJ-POPに落とし込み、新たなジャンルとして確立させたアーティストである(コンテンポラリーR&Bというそうだ)。ここまで各ジャンルを見事に折衷し、曲として成立させたのは、SOUL'd OUTしかいないのではないかと私は思っている。当時ゴリゴリのヒップホップ勢から「ソウルがねえ」「キモイぜウェカピポポップスター」などとディスられたが、よく聴けばブラックミュージックを研究しまくっていることがわかり、同じことのできたラッパーが、当時どれだけいただろうかと思う(批判されたのは、意味のわからない歌詞の方かもしれないが)。それもディスってきたラッパーとは比べ物にならない屈指のフロウスキルで歌っていたのだ。

 

このグループを知ったのは「ライオン先生」というドラマだった。カツラであるのを隠して生活を送る熱血教師の話であり、当時ドラマを見ることにハマっていた私は、新番組チェックでチャンネルを合わせた。そこで流れてきたのがこの曲だ。

外国人ばかりなのに、なぜか拭えない日本感

当時あまりミュージシャンを知らなかった私が、この曲に引き付けられた。ヒップホップなのに曲の構成がポップで、きちんと盛り上がるところは盛り上がる。何よりとてつもなくカッコよく、今まで聴いたことのない曲調だった。

 

しかし当時の私はまだ「CDを買ってこよう」と考えるほど歳を取っておらず、そのブームは3カ月で去った。私が彼らのCDを手にするのは、そこから3年後のこととなる。

 

今思うとこの「Love, Peace & Soul」は、他の曲に比べるとシンセの音が比較的少なく、ゆったりとしたビートが前に出た、彼らのシングル曲の中ではヒップホップ寄りの曲であった。歌詞の意味もわかりやすく、メッセージ性が強く歌いやすい。ドラマのタイアップにしては、世界観からズレているわけでもない。

 

そんなわけでこのブログでは、SOUL'd OUTが多い頻度で登場すると思う。それぐらいお気に入りのグループなのである。解散した今はそれぞれソロでやっているようだが、彼らの個性が上手いこと合わさった当時の曲の方が私は好きなんだよなあ。