ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

アンティック-珈琲店-/覚醒ヒロイズム〜THE HERO WITHOUT A 'NAME'〜

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私が初めて見た深夜アニメ、それが「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」である(以下DTB)。何の気なしにテレビの電源を入れると、MBSの小さな情報番組で芸人が「これから放送する注目のアニメ」みたいなものを紹介するコーナーをやっていた。そこである芸人が紹介していたのがDTB。深夜にアニメなどやっていないような田舎から移住してきた私は「へえ、関西では深夜にアニメがやっているのか。面白そうだな」と見始めたが最後、私はその地味だが硬派で人情味のあるアクションアニメの虜となった。

 

そのDTB一期の主題歌は二曲ある。一つはabingdon boys schoolの「HOWLING」。そしてもう一つがアンティック-珈琲店-(以下アンカフェ)の「覚醒ヒロイズム〜THE HERO WITHOUT A 'NAME'〜」である。このブログで話をする時は、出会うきっかけとなった曲から取り上げるが、あえてこちらを先に書きたい。それぐらい中毒性のある曲だからだ。

abingdon boys schoolといえば西川貴教率いるバンドだ。その歌唱力は凄まじいものがあった。そしてその後を担当するバンドは誰だ…?という時に出てきたのがアンカフェだ。当時ネットでネタにされまくったことをよくよく覚えている。西川氏と比較される歌唱力。「最後のガラス」という意味のわからない単語。OP映像でなぜか何人もいる主人公(本編でそんなシーンはない)。何人の視聴者の頭にクエスチョンを浮かべたのだろうか。しかし私はテンションが上がった。「なんてカッコいいOPなんだ!」と。この曲に変わった辺りからストーリーも徐々に核心へ向かって動き始め、毎週放送を楽しみにしていた頃だった。この曲調とその時の私のドキドキ感はシンクロしていたのだ。

 

さてこの曲はスルメ感があったようで、なんだかんだ言いながら今もネット上で愛されている。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)でOPのAAが作成され、数年後の「今日は一日アニソン三昧Z」で覚醒ヒロイズムがリクエストされた瞬間、すごい勢いでAAが貼られまくったことをよく覚えている。大変に笑わせてもらった。

この曲をカラオケで歌う際は、周りの皆と一緒にガラスを割るポーズをしながら歌う。それぐらい盛り上がる曲である。AAの力だけではなく、この曲の持っているポテンシャルが高くなければ起こらない現象だ。

 

今だからこそ言える話が二つある。一つはアニヲタWikiというサイトの話だ。このサイトに「最後のガラス」というふざけた項目を作ったのは私だ。

二つ目。大学の講義で英語を取っていた私。そのクラスでは一冊の本を半年かけて翻訳していくのだが、どうにも皆やる気がない。前期の最後、先生は「それではこの本を訳して要約してください」などと言い始めた。先生なりの復讐だったのだろう。慌てた私だが「いや、和訳本探せばいいじゃん」と、本をAmazonで急いで取り寄せることにした。しかし当時は一定以上買わないとお急ぎ便が安くならなかったのか、ただ単に送料がかかったのか忘れたが、その本だけでは条件を満たさない。そこでこのCDを買ったのだ。それだけなら特に問題はない。

 

このCDにはアニメを使ったPVがついてきた。これが非常によくできていた。しかし残念だったのは私の視聴環境。15インチのテレビでは迫力に欠ける。ふと思い出したのは祖父母の家の環境。私の祖父は50インチのテレビを持っていたのだ。実家に帰った時、祖父のテレビで見ようとDVDを持っていった。DVDプレイヤーがないか物置を探した時、見たことのないDVDケースが出てきた。さてこれはなんだろうと思い開けると、そこには人妻モノのAVがあった。私はそっとケースを閉じた。世界が逆に回転した。

 

話を戻そう。このアニメを見たことで、私は渋くて暗くて本格派のアニメを好むようになった。当時はGUNSLINGER GIRLやらペルソナ-トリニティソウル-やらシゴフミやら黒塚やらゴルゴ13やら、そんなアニメが流行っていたのか、私はそちら側ばかりを見続け、ダウナーな気分になっていた。周囲が萌えアニメを見て「こないだの〇〇ちゃんカワイイよね!」とか言っている中「ゴルゴのあの狙撃角度はヤバイよね」などと言っていたので、全く話が合わなかった。すっかりアニメを見なくなったが、今でもDTB三期を待っている。私のガラスが割れる日が、まだ来るに違いないと信じた光を守り抜いている。コロナが去った暁には、カラオケに行ってまた皆でガラスをぶち破りたいものだ。