ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

福山雅治/虹

f:id:majaraka:20210522222604j:plain

2003年のドラマ「ウォーターボーイズ」。いやあ面白かったなあ。私は映画を見ていなかったのでドラマがシリーズ初見となるのだが、シンクロ同好会のメンバーのキャラは立ってるし、逆境からのスタートという王道的なストーリーは熱くなって仕方がないし、ドラマとわかっていても最終回のシンクロ公演はハラハラしながら見ていたものだ。

 

そしてこのドラマの余韻を毎回綺麗に飾り付けていたのが、福山雅治氏の「虹」である。

1分すぎぐらいからの、腕組みをして誇らしげな表情をするシーンが好き

ドラマのEDだとイントロがカットされているが、この曲はサンプリングされたドラムの音から始まる。このドラムは自分で叩いたものを、彼自らPro Toolsに並べてわざとドラムマシンのようなグルーブに作ったそうだ。だからなのかキックはTR-808のようであるし、機種はわからないがスネアもドラムマシンのそれに聴こえる。このグルーブは曲を通してずっと同じものが続くが、一歩ずつ歩みを進めていくドラマ本編とシンクロしているようである。

 

少しだけ楽器の数が増えて始まるイントロは、二小節同じコードを使って次のコードへ、という展開を繰り返し、抑揚が抑えられている。早く起きた夏休みの朝のように、真っ白だけれどなんでもできそうな気持ちにさせてくれるワクワク感が詰まっている。そしてその勢いのまま、外に飛び出していくようにサビになる。コード進行は非常にシンプルであるが、ここから全てが始まるような爽快さが存在する。ほとんどがメジャーコードなのに、一瞬だけ聴こえてくるBm7のコードが青春の儚さをほんのりと匂わせる。

 

曲のアウトロはイントロと同じフレーズに戻るのだが、ここまで聴いてきた時点で、もうピロートークのような心地よさが残っているはず。ただ「これで全てが終わった…」というよりかは「まだまだこの夏は続く」というように聴こえる。

 

またこの曲に限ったことではないが、なんといっても福山氏の色っぽい低音が冴える。2番の「この勇気を」にはドキっとさせられるし、サビの前の「Yeah…」を、カラオケで真似しない人を見たことがない。

 

そんなわけで私の中では福山氏のベストソングなのだが、ここまで書いてきて気づいたのは、歌詞の「虹」に一切言及していないこと。正直ウォーターボーイズの印象が強すぎて水泳の曲にしか聴こえないのだ。タイアップとの相性の良さは、本来の曲のイメージの向こう側に感想を飛び立たせてしまうのだ。