ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

ロックマンエグゼ サウンドBOX

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GBA世代である私にとって、ロックマンエグゼは思い入れの強い作品だ。シリーズはほぼコンプリートしたし、アニメは映画まで見て、数年にわたって楽しませてもらった。個人的には「黄金の太陽」「パワプロクンポケット」と並ぶ名作であると思っている。

 

さて、エグゼといえばBGMも秀逸だった。そんなエグゼのサントラが数年前に発売されたのだから、値は張ろうが入手しない手はなかった。外伝も含めてシリーズの曲が集結し、さらにアレンジして収録されているため、お気に入りの曲は膨大な量に上るが、その中でも個人的に好きな曲を今回は紹介したいと思う。

 

まずエグゼ1の室内BGM。

実はエグゼ1はシリーズの中で最も思い入れがない。というのも自分は2から入ったので1に戻ることもなく、確か5と6の間ぐらいにプレイした思い出がある。中古市場でも相場がそこそこしたのだが、完全にやる順番を間違えた。システムがどんどん進化していったのが本シリーズであるため、最もシンプルに作られていた本作を後にプレイすると、非常に物足りなくなってしまうのだ。しかし室内のBGMのシンプルさは他のシリーズの室内BGMを楽しんだ後に聴いてもホッとする。

 

OPテーマは1~3まで同じメロディであるが、私は2のものが最も好きだ。

最初にプレイしたのが2である。従弟に「これ面白いよ」と言われ、その斬新なゲームシステムの虜になった。その補正もあってかテーマBGMでは一番のお気に入りで、初っ端からオケヒっぽい音がダダダッとなる勢いの良さがたまらない。

 

またラストダンジョンへ行く前に立ち寄るコトブキ町で流れてくるBGMは衝撃的だった。

コトブキエリアはゲームの序盤で立ち寄るが、コトブキ町そのものには行けず、最後になってようやく立ち寄ったと思ったら電磁波がうねり世紀末感漂うバグった町となっていた。メロディは穏やかなのだが、編曲の禍々しさとのミスマッチが異様であり、「きっとゴスペルの本拠地となる前は平和な町だったんだろうな…」と思わずにはいられない名曲である。

 

WWWエリアのインパクトも非常に強かった。

裏インターネットに恐る恐る入ってエンディングを迎え、ようやく入れる謎のエリア。くぐってみると真っ白い背景に赤く「W」の字が光り、やたら明るい水色の床が不気味な場所だ。そしてBGMはOPテーマのアレンジなのがまた素晴らしい。

 

シリーズ最高の名作とも名高い3にも名BGMはたくさんあるが、私は何気によかよか村が好きだったりする。

のんびりとしたよかよか村の雰囲気が三拍子で表されており、いつもと異なる拍子が旅行感を醸し出す。それゆえにうらかわ旅館の闇の深さにはビックリしたものだ。

 

4と4.5はカット。どちらもシステムがあまり好みではなかったので、好きなBGMもあることにはあるのだが、優先順位を下げさせてもらう。

 

5はなんといってもリベレートミッションのBGMだ。

セーブのできるブルースをいつ動かすかがカギ

私が買ったのは「チーム オブ ブルース」の方。このシステムには賛否両論があるが、私は大好きだ。シミュレーションRPGのような戦略性をエグゼに落とし込んだのが面白く、また「マグネットマン」や「ナパームマン」のようなかつての名敵役ナビが味方になる頼もしさに興奮したものだ。そしてなんだかんだでオールマイティな性能のロックマンが一番使いやすいということに気づかされた。

 

エグゼ6からはグレイブヤード。

最終作ながら主人公を転校させるという突然の展開から始まり、クロスシステムやナビカスの範囲外改造などバトルに特化したナンバリングだったように思う。したがってストーリーや電脳世界の作り込みはさすがに3には勝てないものの、バトルが最も面白かったのが本作である。グレイガのカード読み込ませてゴリゴリに改造したのも懐かしい。そしてグレイブヤードというナビの墓標がシリーズ最後のシークレットエリアというのも不気味である。他のシークレットエリアもそうなのだが、最初はすぐ戻れるように恐る恐る進んでいくのだがいつの間にか「メイジンフォルダでこのエリアをプレイするぜ!」「ようし、リンクナビでカーネル倒すぞ~」などと“俺の庭”状態になってしまうのがお約束である。

 

以上のようにエグゼ本編はよく話題に上がるのだが、あまり話を聞かないのが外伝のバトルチップGP。自分でナビを動かせないため、本編が好きな人に敬遠されがちな作品であるが、私はこのゲームにも一時期ハマっていた。

ゲオで300円で売っていたので買おうとしたら「箱と説明書不要でしたら200円です」と言われた。買った。

BGMを聴けばわかるが、本編とは音色や曲の雰囲気が随分異なる。それもそのはずで、本編でBGMを担当していた海田明里氏ではなく、本作は別部佑介氏が曲を作っているのだ。プレイしたことのない人には「エグゼっぽくない」と評されるかもしれないが、戦術を考えてナビを信じて送り込むこのゲームをプレイした人間にとっては、非常に熱くクオリティの高い曲なのだ。上に貼ってある「バトルBGM3 (ファイナルバトル、通信対戦)」が私は特に好みである。

 

さてこのサントラにはもう一枚CDが付いてくる。なんとエグゼの人気BGMをアレンジした「15周年アレンジベストトラック」というものだ。その中でも私が最も気に入っているのが「RUNNING THROUGH THE CYBER WORLD」である。

いや、これはズルい。もう泣かせにかかってるとも思えるような燃えるロックになっている。電子音楽らしい1の原曲もいいのだが、テーマBGMが流れる時は大体本編が熱い展開になっている時が多いので、こういうロック調にされると当時のことを思い出してテンションが上がってしまう。

 

とまあだいぶ端折りながらとはいえ、シリーズ全般にわたって書いたため、今回はなかなかの文字数となってしまった。やはり思い入れの強い作品であるし、私のゲームの青春の一ページどころか、数ページを占めているシリーズである。今でもシリーズ復活が叫ばれているのもわかるし、スマホが普及してエグゼの時代に近づいたこともあり、新しい企画が立ち上がってもいいのにと思う。リアル電脳世界をナビと一緒に駆け抜けてみたいものだ。