ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

Retro G-Style/What's the answer?

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このグループと出会ったのは、制作会社が変わったことでキャラの絵柄もガラリと変わった「爆転シュート ベイブレード2002」を見ていた時だった。毎週見ていた割には話をほとんど覚えていないのだが、主題歌はハッキリ覚えているといういつものパターンだ。

 

ジャンルでいうとヒップホップ、特にアメリカ西海岸のG-FUNKを思わせるドッシリとしたドラムと、ビンテージなギターやブラスの音が特徴的ではあるが、彼ら曰く日本の「フォーク」も取り入れているという。J-POPにラップを入れるという試みは多くのミュージシャンが行っているが、彼らの場合は二つのジャンルをミキサーでかき混ぜて全く新しい味わいを確立させてしまったような、他に類を見ない独特なジャンルに進化させている。

 

そんなRetro G-Style(以下レトロ)の中でもかなりポップ寄りな一曲がこの「What's the answer?」だ。

イントロはIGORのラップから入る。ハーフのIGOR氏のラップは発音が心地よいのだが、かなりピースルフルなフロウであり、当時のヒップホップとは一線を画したクルーであることがよくわかる。その一方でAメロはMASAYAがフォーク節バリバリのメロディを歌うが、同じメロディを何度も繰り返すあたりがやっぱりヒップホップなのである。

 

Bメロは一転マイナーコードで始まる。ドラムのグルーブも変わって少し緊張感が漂うが、歌詞の雰囲気は冒頭から変わっていない。MASAYAの書く歌詞は抽象的だが叙情的であり、物憂げな雰囲気さえ漂っている。レトロのフォーク節は曲だけではなく、歌詞にも如実に表れているのだ。そして最後の2小節でサビに向かって盛り上がる準備を整わせる。このBメロがなかなか不思議な構成で、大体4とか8とか16小節でまとめるのが鉄板なのだが、この曲のBメロは6小節なのである。しかし違和感はなく、むしろ6小節がベストだと思わせる展開なのだ。

 

そしてサビ。突き抜けたように爽快感があり、ポップというよりもはや美しささえ思わせるメロディーである。他の曲もそうなのだが、レトロはサビの盛り上げ方が非常に上手く、日本人好みのするメロディをきちんとヒップホップに落とし込んでくるのが凄い。

 

この頃の私は凡そCDを集めるという考え方も財力もなかったので、ある程度年齢を重ねてから彼らの音源を集め始めたが、その頃には彼らは解散してしまっていた。しかし2010年に再結成をして、基本は変わらず、それでいて当時流行っていたような曲調も取り入れつつ、更なる一面を見せてくれた。私は大いに喜び、これからの活躍に期待をしたのだが、2011年にMASAYAが不慮の事故で亡くなり、活動を終えることになってしまうという、あまりにもショッキングなニュースが飛び込んできた。

 

それから7年の月日が流れ、まさかの3rdアルバムが配信された。どうやら未発表の音源をまとめて一枚のアルバムにしたようなのだが、新曲が聴けるとは夢にも思わなかったわけで、私はしばらくしてそれを知ったため出遅れたのだが、そこからすぐに購入をした次第だ。

 

先述のように、ちょっと他にはいないジャンルのグループであり、私の好みにピタリとハマっている。もう彼らの新曲は聴けないのだが、令和の世になってもヘビーローテーションするぐらいに往年の名曲と化しているのだから、どうということはない。