ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

洞窟物語

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フリーゲームの金字塔「洞窟物語」。5年以上前だったかと思うが、どこかで耳にしたこのゲームを私もやってみたのだが、これがフリーゲームと思えないぐらいの完成度で、どっぷりとハマってしまったのであった。

 

そしてこのゲームの完成度の高さの一つにBGMが挙げられることも周知の事実だろう。独自ドライバ「オルガーニャ」で作られたBGMはレトロ感のある温かい音が魅力的である。というわけで今回は、洞窟物語のBGMについて書いてみようと思う。

 

まずはタイトルBGM。

ビートやベースフレーズがR&Bっぽいのよね(0.75倍速で聴くとよくわかると思う)。この曲から全くゲームの内容が読めず、謎の多い洞窟を暗示させるような不思議な曲調ですごく好き。

 

あまり語られることはないのだが、私は山下農園のBGM「プラント」も好きだ。

序盤から行けるものの本編にあまり絡んでこない場所であり、このBGMはここでしか聞けない。他の曲に比べて牧歌的であり、なんだかんだシリアスで歯ごたえのあるアクションのこのゲームの中では割と異質な一曲なのだが、それゆえに癒しを与えてくれるのである。ここにいる間は静かに暮らせる的なね。

 

明るい曲ではクサムラのBGMも良い。

名前通り草が生い茂っており、高低差もあって色々と探索が楽しいエリアである。だからなのかぐんぐんと前に進みたくなるビートが、ワクワクさせてくれるのである。

 

んで私が今作の中で最も好きな曲は「じえんか」だ。

ジェンカの家で流れてくるBGMで、Pixel氏作曲のものではなく元ネタのある曲なのだが、オープンハイハットやピコピコしたスクエアのような左右で広がる音や、ハイハットのようにやたら荒ぶるスネアドラムなど、すごく拘りと愛を感じる編曲になっているのだ。

 

最後に外壁のBGM「つきのうた」

本作屈指の人気曲であり、この曲が流れるシーンを作りたかったことから、このゲームは始まったんだとか。基本的に横スクロールが続く本作において、ひたすら上へ上へと昇っていくエリアで、色々なものを失ってきた哀愁と、不退転の勢いで進んでいく主人公の心境を表しているような名曲である。このエリアの敵「夜の精」がかわいい。

 

そんなわけで今回は五曲に絞ったが、他にも魅力のあるBGMで埋め尽くされているのがこのゲームである。今でも「面白いフリーゲームなんかある?」と聞かれたら、この作品を必ず挙げるほど楽しませてもらった。なお私はゲームパッドの存在を知らず、ノーマルエンドまでキーボードを使ってやっていたが、血塗られた聖域でそれを諦め、ゲームパッドに手を出した。そんなものがあるのなら早く言ってくれと、誰に言うわけでもなく呟いたことを覚えている…。