ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

OLEDICKFOGGY/月になんて

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OLEDICKFOGGYとの出会いは何だったか。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で誰かに教えてもらったような、ようつべのオススメで出てきたような、随分前なのでうろ覚えだ。だが初めて聴いた時から、自分の中でその存在感は輝いたままだ。

 

彼らを知ったのがこの「月になんて」。

なんていうんだろうねえ、こういうジャンル。ウッドベースマンドリンアコーディオンが入っていて、すごくカントリーやロカビリーっぽくて、なんというかヒッピーの雰囲気がある。調べたらラスティックというジャンルだとか。初めて聞いたが、とてもカッコいい。

 

コード進行はカノン進行に似たすごくシンプルなもの。しかしどことくなく哀愁が漂うのは、楽器の編成だけでなく、歌詞によるものが大きい。この曲の歌詞は、文明の発展に対して警鐘を鳴らすもののように思える。PVなんかはすごくそれが顕著でわかりやすく、今まで人類が起こしてきた技術の開発とそれに伴う大きな悲劇を、これでもかとひたすらシニカルかつロックに描いている。

 

「何か面白いバンド知らない?」と聞かれたら、真っ先に挙げるぐらいインパクトのあるグループだ。そしてこんな尖った編成をしているにも拘らず、曲によってかなりジャンルが違ったりするのも魅力だ。ある時はロックンロールに、ある時は歌謡曲に、ある時はブルージーにと、曲ごとに様々な一面を見せてくれる。

 

月に行くことの是非はさておき、私の胸に眠る新しい音楽を渇望する悪魔を、この曲は激しく揺すってくれたのだ。