ketchup maniaを知ったのは「PLEASE! MARRY ME!!」という曲がきっかけだったが、その後彼らの過去の音源を掘っていった結果、「涙☆バキュームサウンド」が大好きになった。
HIROの住んでいる部屋で撮影したPV。枕がヤバイことに…
ポップ色強めのメロコアサウンドが特徴的なバンドである。2000年代といえばメロコア大隆盛の時代だったが、ゼロ年代前半の硬派なメロコアに比べれば曲自体の音圧は高いものの、ドラムのサウンドがやや軽めになっている。一方でそのドラムの手数は多く、そこにボーカルのHIROのキュートな声が乗っかることで、ポップさが強調されるようになっている。
歌詞もまたポップである。どうにもいかなくなって落ち込んでいる時のテンションを、この曲で上げてしまおうという歌であるが、「フルーツチューン鳴り出せば別世界へワープ」「耳もくらむほどの衝撃をこの胸に!」「ピンク色ワード ブラックなリフ」という、ちょっと他では聞かないようなHIROのワードセンスがビンビンに冴えわたっている。
総じてこのバンドの魅力とは、“磨き上げられたキッチュさ”というものだと思っている。言葉だけ見ると矛盾しているようだが、この曲を聴けばそんな矛盾は軽く吹き飛んでしまう。
余談であるがこのバンド名の由来は、飛び散ったケチャップを見たメンバーが「ケチャップマニアか!」という意味不明なツッコミをしたことによるのだとか。バンドの成り立ちからすでにキッチュが過ぎる…。