ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

ノリアキ/Father's Day

今日は父の日ということで、こんな曲を。

ノリアキといえば水野敬也の「後輩オーディション」で選ばれ、「デビュー」と「Unstoppable」を引っ提げてデビューした「引きこもりミュージシャン」である。特に「Unstoppable」は知名度が高く、ガリガリの青年があえてジャラジャラとしたアクセサリーをつけ、外面重視のラッパーを皮肉るという「リアル」を前面に押し出したラップが高評価を得ている。

役者としても活動している

そんなノリアキのアルバム「This Is da Music.」に収録されている「Father's Day」であるが、Dragon Ash featuring Aco, Zeebraの「Grateful Days」を面白いぐらいにオマージュした一曲となっている。Kjを彷彿とさせる(?)落ち着いたフロウと、Zeebraを彷彿とさせる(?)ガラガラ声のフロウを、一人二役で再現しているのだ。

 

最初のヴァースにはきちんとストーリーがあって、雨の日に妹からのメールで催促があり、父の日に気づいて感謝の想いをラップするというものになっている。「軽快なrhythm」だとか「百合の花」だとか、本家を知っているとクスリとくるワードチョイスが光るラップに仕上がっている。フックの三連符ラッシュもカッコいい。

 

セカンドヴァースはZeebraよろしく「俺は山形生まれ ファミ通育ち」から始まる。「ダーティなやつらをかいくぐって」「生き殺して潜り抜けた修羅場」など、言葉自体はなんだかアングラだが、よくよく見てみるとアングラのマッチョな雰囲気を避けている様子が伝わってくる、彼の「リアル」がそこにある。

 

音作りも面白く、シタールっぽい音や、サンプラーを通したようなオープンハイハットはそこかしこで使われているのだが、突然ディストーションギターが入ったり、スラップベースや和太鼓まで聴こえてくる。どれもチープな音なのだが、トラックとしての完成度が高く、それもまた味わいになっているのだ。

 

とてもカオスなのに、ちょっぴりチルで梅雨時に聴きたくなる、妙な魅力を持っているのがこの曲なのである。