「eufoniusで一番好きな曲は?」と聞かれたら、「リフレクティア」かこの曲「phosphorus」と答えるのが私です。
「リフレクティア」は本編「true tears」を見ていたから、思い出補正がかかっている部分もあるんですよ。でもこの曲がOPになっている「神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS」というアニメは見たことがないんです。そういう意味では補正無しでここまで好きになれるパワーが、この曲にはあるのかも。
サビから入るのってeufoでは珍しくて、でもこの切ないサビを8小節だけチラ見せしておいて、Aメロに入るっていうニクイ演出。Aメロも含めて割とノーマルなコードしか使っていなくて、じっくり聴かせるなあと思ったら、Aメロの終わりから転調が始まり、Bメロでコロコロと変わっていく。このね、螺旋階段を上るような転調がいいんですよ。
さらにアコギやパーカッションも入って、うねるような生を感じられるのがこのBメロ。そしてそれまでシャープが付きまくっていたコードから、一切の黒鍵が取れて「この身体を駆け抜ける」というところでDm7のコードがかき鳴らされたところで、ぼんやりしていた意識が完全に覚醒した感じになる。そしてサビへ…という展開が圧巻よねえ。
そして冒頭でチラ見せしたサビがここでようやく聞ける。「誰も知らない強さを連れて 二人進み続けて」とあるように、すごくまっすぐなメロディと歌詞。本編を見てないからわかったように語るのは口幅ったいのですが、主人公とヒロインの強い意志が窺える。「リフレクティア」が冬の景色に踏み出していく弾むような曲であるのに対し、こちらは揺るぎない信念で勇ましく踏み出していく曲であり、対極的でありながら、どちらも何かが始まっていく様子を素晴らしいクオリティで表現した名曲なんですよね。