ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

fripSide NAO project!/あっせんぶる☆LOVE さんぶる

一期fripSideの別名義であるfripSide NAO project!(以下ナオプロ)。アルバム一枚とシングル一枚を出して一期が終了したので楽曲数は非常に少ないが、そのアルバム「Rabbit Syndrome」は、非常に高い完成度を誇っていた。そしてアルバムのリード曲がこの「あっせんぶる☆LOVE さんぶる」だ。

「姉はエロコミ編集者」というエロゲーのタイアップソングになったこの曲は、fripSideがいわゆる「萌えソング」の需要に応えて作った初の曲である。しかしそのクオリティはクールな曲ばかり作ってきたfripが、初めて世に放ったとは思えないクオリティに仕上がっているのがわかるだろう。事情を知らない人が聴いたら、「元々こういう曲作る人達でしょ?」と勘違いしてしまうに違いない。コンポーザーのsatも「神様が降りてきた時にしか出来ない名曲」と語るだけのことはある。

 

カウントダウンのようなシンセの単音からスイープ音が鳴り、いきなりサビに繋がっていく様子は、新しい世界へ飛び込んでいくナオプロの所信表明のようである。ノリを良くするためなのかスネアの音こそ小さめなのだが、この曲は最初から最後まで音の数が多い。バネのような音、ホイッスル、猫の声、その他シンセのFXなど効果音が所狭しと散りばめられており、「キラキラあふれるように!」という歌詞の通りの音作りになっている。それでいてディストーションのかかったギターソロだったりラスサビの転調だったりと、fripらしさも垣間見える。編曲にはsatと共にアラケンこと新井健史氏の名が。納得。

 

そして何よりこの曲最大の魅力は、やたらと可愛らしい歌詞だ。「Go Go!」「ぽわん!」「ハイハイ!」という、電波ソングでよく聞くようなフレーズがイントロから聞こえる。ナオプロから入った私は何とも思わなかったが、これfripから入った人にとっては衝撃的だったのではないだろうか。satはこんな歌詞も書けるのだなあと思っていたら、satと共に王様こと山下慎一狼氏の名が。納得。

 

このね、「作詞:山下慎一狼八木沼悟志」「編曲:八木沼悟志新井健史」っていうクレジット、一期frip好きには堪らない並びなんですよ。勝ち確なんですよ。一期fripが終わりnaoが独立して、そっちにアラケンと王様が付いていき、今ではアラケンも独立(?)して、もう見れないクレジットなんですよね。だからこそファンとしてはこの4人の新曲をまた聴きたかったりするんです。

 

とまあ、一時期狂ったように聴いていた曲であるので、思い入れは非常に強い故に、もうこの曲も聴けないんだなあと思っていたら、2017年の「fripSide LIVE TOUR 2016-2017 FINAL in Saitama Super Arena-Run for the 15th Anniversary-supported by animelo mix」で、この曲を披露したのだ!

「Decade」で再びnaoの声をsatの曲で聴けた喜びはあったのだが、まさかナオプロの曲をやるなんて思わないじゃないですか。二人が肩を組むところとかね、もう泣けますよね(´;ω;`)

LOONIE/虹

バンドやグループというものは、メンバーチェンジや音楽性を変えながら、移り変わることが多い。このLOONIEというグループも、またその一つである。

 

彼らは元々90~00年代に活動していた、ミクスチャーロックバンドの麻波25(mach25)のメンバーであった。2004年に解散した後、MCのPASSERとYUICHIがRYOを誘い、2MC+1ボーカルのLOONIEが誕生した。そしてその4年後、グループ名をキャラメルペッパーズに変え、“ウェディングソングを歌うGReeeeN”みたいな路線へと転向し、スマッシュヒットを収めた。

 

つまり今回紹介するLOONIEは、グループとしての過渡期というか迷走期というか、蛹のような不完全変態状態の音楽なのである。そう聞くと音楽性的に大したことがないようにも思うかもしれないが、私はこの蛹の時期の曲が一番美味しく思えたりする。

 

このグループはハッキリと顔を出すことが少なく、出てきても皆サングラスをかけていたりと、誰が誰かわかりにくく、PVではそれが顕著に表れている(そしてその路線はキャラメルペッパーズも同じ)。

虹がかかる青空に飛び出していく、この爽快感ときたらどうだろう!曲調はまさしくゼロ年代のポップなヒップホップであり、麻波25時代のノリの軽さが引き継がれていることがわかる。

「Making the road」なんかと雰囲気が近い

サビ(hook?)で爽やかに歌っているのがRYOである。唯一のシンガーポジションなのだが、時折巧みなフロウを操ってくる。Cメロの「あてもなくわけもなく 雨にうたれて」の辺りの流暢なフロウが堪らない。

 

小籔千豊氏の声のような低音ボイスがYUICHIだ。韻を硬めに踏むためか、「Life isあんがい結構 tricky 喜怒哀楽全込みです正直」「毎週ラップ更新コンマ何秒調子?行きやフリーにな」など、リリックが日本語の文章としてかなり異様なことになっている。それをサラリと歌いこなすテクニックが光っている。この人はそもそも麻波25の時はドラマーだったりする。

 

トラックメイカーも務めるPASSERのねっとりと絡む高音フロウも特徴的だ。そこまで韻にこだわっていないが、「君やれば出来る子」「ウラララ 川を越えてく彼方」など、ワードチョイスがかなり独特。そしてこの三人が細かいパッセージで掛け合いをするところが、多く見られるのもこの曲の魅力だったりする。

 

LOONIEはシングル2枚とアルバム1枚を出して活動休止。後は上述の通りに自分達の音楽性を確立して現在に至っている。麻波25キャラメルペッパーズも長いこと活動していたため、ある意味一番レアな時期の曲なのだが、やはり私が学生時代に聴いていた思い入れ補正が大きいんだよなあ。

The Muffs/Lucky Guy

このバンドを5ちゃんねるで誰かに教えてもらったのは、2020年2月3日。日付を覚えているのは、自分のTwitterにそうメモしてあるからだ。

 

ボーカル&ギターのKim Shattuckを中心とするこのバンドは、アメリカのロサンゼルスで1993年に結成されたパンクバンドである。曲調は至ってシンプルなバリバリのLAパンクであり、いつもワンピース姿のKimは、気だるげだけどシャウトも入ったパワフルな声で歌う。それがとても可愛いのだ。

 

そんなMuffsの曲から一つ、「Lucky Guy」を紹介したい。

曲調や歌い方、そしてPVからわかる初期衝動感!この曲の全てはBメロに詰まっていると思っていて、

 

And you know You have a thousand things in front of you

Doin' anything you like And takin' it easy

Is all you ever need to do

 

と歌っている。翻訳すると「目の前にはたくさんのものがあるのだから、好きなことをして気楽にいきましょう。それがすべきことよ」ということだ。これはバンドを結成したばかりのKim自身のスタンスそのものではないだろうか。キラキラとしたエネルギーを真正面に放つ感じ。輝き方がハンパない。

 

PVも見てもらえばわかるように、Ronnie Barnett演じる緑のレプラコーンが登場するのは「お前たちが欲しがっている金より良いものがあるぞ!」ということなのだろう。若きMuffsの下へ連れて行き、アメリカ経済を牛耳っているような爺さんを「これが本当に求めていたものでしょ?」とばかりに夢中にさせていく。なんてパンクなんだろう。

 

この曲を教えてもらった頃、私は胆嚢摘出手術を控えており、また転職をして新天地へ向かうことになっていた。つまるところ不安だらけだったわけだ。このポジティブでエネルギッシュな曲がどれだけ自分を元気づけてくれたことか(その時はあまり歌詞の意味もわかっていなかったけど…)。

 

さてKimであるが、2019年に亡くなってしまった。もう少し早く出会っておきたかったバンドの一つである。

Zig+Zag/夜海神話

Zig+Zagと出会ったのは、今から20年程前に放送されていた「熱唱オンエアバトル」でのこと。何やらホラーテイストなビジュアルの二人組が「夜海神話」という曲を引っ提げて登場した。結果は最下位でオフエアだったのだが、そのインパクトに釘付けになってしまった。

そしてそこから数カ月して再び登場したZig+Zag。この番組では前回オフエアだった人たちは、大体他の曲を持ってくるのだが、なぜかサポートメンバーを引き連れて再び同じ曲で挑戦。

KBも順位も伸ばしたものの、再びオフエアとなった。しかし彼らは諦めなかった。パフォーマンスを強化し、三度目の出演でまた同じ曲を披露したのだ。

そして結果はまさかのトップ通過。その衝撃に司会のハリガネロックは二人して笑いを堪えきれなくなってしまった。

 

そんなひねくれロックバンドZig+Zagの「原点」ともいえる曲、それがこの「夜海神話」である。

ボーカルのK~様曰く「『わぁ星が綺麗』と、ただただいう人間のロマンに反抗して記した気がする」とのことである。

 

曲調はビジュアル系らしいハードロックだ。コード進行はシンプルなのに、なかなか不思議なパワーを持っている。割と動き回るベースと軽めのスネアが、曲のスピード感に拍車をかけている。Bメロからサビの流れがとても綺麗で、特にサビの後半で4拍目にクラッシュシンバルを何個も置いているのがノリやすくて良い。

 

Zig+Zagが世に生み出した最初の曲というだけあり、演奏も荒々しいし、特に大きな捻りがあるわけでもない。しかしながら「こんな曲をやりたい!」という初期衝動のエネルギーがとにかく詰まった一曲であり、そこが独特な魅力となっているのだろう。この後Zig+Zagはメタル化路線に入っていくのだが、たまに思い出したようにライブで演奏をしたりする。また廃版になっていたこのアルバムが、今年になってまさかの配信サービスで提供されるようになった。それほどまでに彼らにとって、この曲は特別なものなのだ。

 

「絶対に今日受かりたいんだから~」と呟くK~様。かわいい

 

 

 

ザ・キング・トーンズ/夢の中で会えるでしょう

ザ・キング・トーンズといえば「グッド・ナイト・ベイビー」が有名だろうか。リアルタイム世代ではないが、様々な歌番組で歌われていたから、追っかけていなくても耳に馴染んでいた。

 

そんなキングトーンズには他にも名曲があって、その一つがこの「夢の中で会えるでしょう」だ。

この動画にある通り、高野寛氏が提供をした曲である。キングトーンズ35周年を記念してリリースされたもので、すでにリーダーの内田正人氏は還暦近い年齢になっているが、この美声をキープしているのだから凄いものだ。

 

この曲を一言で言えば「芳醇な愛」だと私は思っている。徹頭徹尾愛の歌なのだが、叫ぶ愛でも縋る愛でもトキメキの愛でもない。愛の幸福に浸り、溜息のように紡がれるものだ。歌詞を読む限り「僕」と「君」は愛し合っているのだが、距離が離れている。しかし「君」のことを想い歌い、また手紙を書くだけで幸せな気持ちになるというものだ。深く深く、自分の心の中でじんわりと愛を温めることの芳醇な様がたまらない。

 

そしてこの素敵な歌詞を乗せる曲がまたとんでもない。バンド編成にエレピとストリングスが入るミドルテンポの曲だ。キングトーンズ自慢のコーラスグループがすごい良いところで入るんですよね。イントロとBメロ、サビの後半と、コーラスが入るのは限定的な部分でしかないのだけれど、丁度欲しいところでビシっとキメてくる。

 

イントロのコード進行は高野氏自ら言及している通り、キングトーンズに提供されるはずだった、シュガー・ベイブの「DOWN TOWN」のコードをオマージュしたものとなっている。

 

高野氏といえばシティポップのミュージシャンで、キングトーンズは時期にもよるがドゥーワップに歌謡曲を落とし込んだグループだ。彼らの音楽は全く別のジャンルのようであるが、混ぜてみたら上質なポップスになってしまったのだから、音楽というのはわからないものだ。

 

何よりデビューから35年経ってこんな名曲を歌い上げるザ・キング・トーンズが、いかに化け物じみたグループなのかがよくわかる。

 

ちなみに動画では聴こえないのだが、CD音源で二番のサビ後の間奏で聴こえてくる、アタックが少しずれた、リバーブがたっぷりかかったパーカッションの正体がわからない…。

Neko Jump/Poo

タイにNeko Jumpという双子の姉妹アイドルがいた。2006年にアルバム「Neko Jump」でデビューしたのだが、そのアルバムの楽曲がなぜか「あにゃまる探偵 キルミンずぅ」という日本のアニメの主題歌に採用されたのだった。

 

私はこのアニメを見ていなかったが、主題歌の「Poo」という曲にはハートを撃ち抜かれてしまった。

ダンスも含め、彼女達の可愛さが存分に発揮された作品に仕上がっているのだが、この歌詞とPVの意味不明さときたらどうだろう。曲名の「Poo」というのはタイ語で「蟹」を意味するらしい。タイでは蛇が神とされるぐらい縁起が良く、蛇の夢を見ると運命の人と出会えるらしい。ところが「大きな蟹が出てきて自分たちを追いかけてくる悪夢ばかり見てしまい、とても怖い!」という歌なのだそうだ。これは蟹に追いかけられる怖さもあるのだが、運命の人に会えない怖さもあるのだとか。PVではなぜか蟹というよりマッチョ達に追いかけられているのだが。

 

城が出てきたりカタカナや漢字を使ったり日本のラジオがサンプリングされていたりと、日本を意識した作りのPVになっているのが面白い。そもそもユニット名に「Neko」が入っているあたり、当初から日本進出を考えていたのかもしれない。

 

愉快な世界観の「Poo」だが、最大の魅力は楽曲のクオリティの高さにあると思う。AメロからBメロ前半まではE♭マイナーで進む短調なのだが、全く暗さを感じないほど曲の可愛さが光る。特にBメロから入るスネアは小気味よく、手拍子を叩きたくなるぐらいだ。

 

Bメロ後半から急にメジャーコードが多くなり、サビへ向かう。この「Oh no no no」の可愛さときたら、もうたまったものじゃない。何が面白いってこの曲は♭六つの変ホ短調で始まってるのに、同じく♭六つの変ト長調平行調転調するところですよね。サビ8小節目のB♭mからB♭へちょっとだけ上がるところや、最後に入る笑い声、二番終わってサビを繰り返す時にボーカルとドラムだけになる所が個人的に好き。

 

打ち込み系の曲であるが、ギターやエレピが使われており、リズムはなぜかボサノヴァを思わせる。そこに日本を意識したアイドル歌謡要素が入ってくる。もはやこの曲はインターナショナルミクスチャーポップスとでも呼べるのではないだろうか。

 

さてそんな「Poo」だが、日本でも発売されることになったため、日本版のPVが作られている。

元々のPVが若干セクシーであり、夕方の子ども向けアニメのPVとしてはいかがなものか、という部分もあったのだろう。若干日本のアイドルチックな萌え寄りにローカライズされているが、これはこれで可愛い。

 

そしてアニメのOPがこっち。

子どもがテレビの前で真似したくなる振り付けである。

 

Neko Jumpであるが、数年後には大人の色気漂うEDMの楽曲を発表したりと、段々と路線変更をしていった。日本には何度も来て活動をし続けていたものの、2016年に事務所との契約が終了したことでNeko Jump名義を使えなくなってしまった。今はYouTuberをやっているようであり、覗きに行ったところなんと偶然にもカニを食べているではないか!

なんでも母の日ということで、母親とお婆ちゃんとご馳走を食べているのだそうだが、この偶然(ビッグウェーブ)に乗るしかねえ!ということで「カニを食べている動画を見てカニの歌を歌っていたのを思い出しました」的なことをタイ語に翻訳してコメントしたところ、本人から「arigatou 😍」との言葉を頂戴した。すっかり大人になった彼女達であったが、謎のアイドルソングを歌ったことは覚えていたようだ。

SOUL'd OUT/Starlight Destiny

私の一番好きなミュージシャンはSOUL'd OUTである。そしてSOUL'd OUTの中で一番好きな曲は「Starlight Destiny」である。つまり遍在する音楽の中で、最も愛する曲は「Starlight Destiny」になるわけだ。この曲の入っている「ATTITUDE」は最高の一枚だとも思っている。

 

この曲を出す数カ月前にリリースされた「TOKYO通信〜Urbs Communication〜」が非常にカッコよく、私のSOUL'd OUT熱に再び火がついたのだが、それを上回るレベルの名曲を発表してきたのだから、本当に恐ろしいグループだ。

確かMTVの「MONTHLY FACE」という番組だったと思う。初めてこのPVを見た時の衝撃ときたら。こんなバケモノじみた曲をよくもまあ作れたものだ。もう何から何までカッコいい。

 

ストリングスとシンセとDiggy-MO'のピアノから始まるイントロ。最初からセンチメンタル全開であり、プレゼントのリボンをゆっくりと開けるようなワクワク感がたまらない。そしてDiggyの語りが入り、ストリングスがアクティブなフレーズを弾いたと思ったら、そこから入る「叫べ刹那のMelody」という熱い最高のサビ。ブラスセクションとスラップベースが入り、いきなり興奮がピークになる。しかしこのサビは4小節だけ歌って終わり、美味しいところは後のお楽しみとしてAメロに入る。もうこの時点で神曲なのよ。

 

Diggyのヴァースでは「alive」や「Dream Drive」やら過去にリリースした曲名が出てきたりして、「今をつなぎとめる大切な友の愛に俺はベストを尽くすぜ 届けミュージック」とくるので、このシングルがSOUL'd OUTの集大成なんじゃないかと思わせられる。「ああ 儚き夢よ 俺はきっと暗闇の中で何かが輝く瞬間を探していたんだ」と、「俺(=Diggy?)」はここまでの人生を振り返って、「追い求めて叶わない」未来を探して暗闇の中で苦しんでいた心境を吐露する。そして「こんなにも激しく破壊的な夜には がんじがらめの魔法を解き放って」と、その暗闇を打破するように自分自身に言い聞かせるのだ。

 

そこから再びサビの「叫べ刹那のMelody」とくる。「何も失わずに手に入れたものなどくれてやる」の熱さたるや…!色々なものをここまで来るのに失ってきて、悩み苦しみながら生まれた「刹那のMelody」。Diggyはそれをここで叫ぶ。「EVEN IF I LOSE MY VOICE, I DON'T STOP TO BUT」とあるように、たとえ声が出なくなっても「I JUST SHOUT AT ALL」とばかりに叫び続ける。Diggyの覚悟と意志がここにそびえ立っているのだ。

 

Bro.Hiのヴァースは星々どころか時空を超える旅路のようで、SFチックなものになっている。「遠ざかれ過去の断片よ」というように、時間が速すぎるスピードで過ぎているのが人生だ。しかしそれでも「This is so long trip Are you ready to go!?」と、この長い旅に足を踏み出していく。「時に迷い 己を咎めたりだろ…?」というところは、Diggyと同じで、生きていく上での悩みや迷いを示している。それに対しYou know that it is so no doubt! Believe in yourself!」と力強く叫ぶのは、これもDiggyと同じだ。なんというか、DiggyとHiが互いに励まし合ってSOUL'd OUTとして突き進んできたことを表しているようだなと思ってしまう。次のフックでも「きっとかけがえのないものほど すぐ傍にあるものさ」と歌っており、それは見つけた「刹那のMelody」であり、「確かに誓い合ういつもの仲間」でもあるのだろう。熱いなあ…。

 

DiggyとHiの掛け合いが見られるヴァース(Cメロ)では、客を大いに煽るようなフレーズが敷き詰められている。ライブ感が強いパートだ。そしてDメロで「いつの日からか心を閉ざしていた 出逢えた人の優しささえ邪魔になってやり切れずに」と歌うDiggy。過去を振り返って自分の弱さをふと見つめる。しかしこれはそんな自分との決別であるのだ。

 

ラストフック。紡ぎ出した「刹那のMelody」が聴いている人の心に届くことを願うSOUL'd OUT。「時には孤独に震える夜もあるけど」と、決して心が弱くなることを否定しない。そして「それでもまだ 止まらないこの街でまた明日を信じれるのなら 今はそれだけでいいだろ」と、少しの希望しかなくても、それを力強く肯定してくれるのだ。そして最後に「ほら 俺達の星が力強く煌めいてる」と、希望の先を指し示してこの歌は終わる。

 

先述の「MONTHLY FACE」でメンバーが語っていたように「ECHO, ECHO」の部分もライブでレスポンスしやすいように作ってあり、とにかく盛り上がる曲だ。メロディーも歌詞の持つパワーもとにかく凄い。これだけ熱いリリックを乗せるShinnosukeのトラックも切なさと強さが備わっており、曲として完璧なバランスとしか言いようがない。100点満点なんですよ。自分の青春時代に聴いた曲という補正もかかり、これを超える曲って出てこないんじゃないかっていう、そんな感じ。

 

SOUL'd OUTのラストライブの最後の曲はこの曲だった。人気投票で一位だったこと、そして曲の持つメッセージ性から、このグループを締めくくるのに相応しい一曲だったのだ。

 

ちなみに私はカラオケでSOUL'd OUTをよく歌うのだが、確か一番最初に歌ったのがこの曲だった気がする。いきなり100点から始めちゃったわけですよ。ええ、歌うのは難しかったのですが。