ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

Zig+Zag/夜海神話

Zig+Zagと出会ったのは、今から20年程前に放送されていた「熱唱オンエアバトル」でのこと。何やらホラーテイストなビジュアルの二人組が「夜海神話」という曲を引っ提げて登場した。結果は最下位でオフエアだったのだが、そのインパクトに釘付けになってしまった。

そしてそこから数カ月して再び登場したZig+Zag。この番組では前回オフエアだった人たちは、大体他の曲を持ってくるのだが、なぜかサポートメンバーを引き連れて再び同じ曲で挑戦。

KBも順位も伸ばしたものの、再びオフエアとなった。しかし彼らは諦めなかった。パフォーマンスを強化し、三度目の出演でまた同じ曲を披露したのだ。

そして結果はまさかのトップ通過。その衝撃に司会のハリガネロックは二人して笑いを堪えきれなくなってしまった。

 

そんなひねくれロックバンドZig+Zagの「原点」ともいえる曲、それがこの「夜海神話」である。

ボーカルのK~様曰く「『わぁ星が綺麗』と、ただただいう人間のロマンに反抗して記した気がする」とのことである。

 

曲調はビジュアル系らしいハードロックだ。コード進行はシンプルなのに、なかなか不思議なパワーを持っている。割と動き回るベースと軽めのスネアが、曲のスピード感に拍車をかけている。Bメロからサビの流れがとても綺麗で、特にサビの後半で4拍目にクラッシュシンバルを何個も置いているのがノリやすくて良い。

 

Zig+Zagが世に生み出した最初の曲というだけあり、演奏も荒々しいし、特に大きな捻りがあるわけでもない。しかしながら「こんな曲をやりたい!」という初期衝動のエネルギーがとにかく詰まった一曲であり、そこが独特な魅力となっているのだろう。この後Zig+Zagはメタル化路線に入っていくのだが、たまに思い出したようにライブで演奏をしたりする。また廃版になっていたこのアルバムが、今年になってまさかの配信サービスで提供されるようになった。それほどまでに彼らにとって、この曲は特別なものなのだ。

 

「絶対に今日受かりたいんだから~」と呟くK~様。かわいい