私の一番好きなミュージシャンはSOUL'd OUTである。そしてSOUL'd OUTの中で一番好きな曲は「Starlight Destiny」である。つまり遍在する音楽の中で、最も愛する曲は「Starlight Destiny」になるわけだ。この曲の入っている「ATTITUDE」は最高の一枚だとも思っている。
この曲を出す数カ月前にリリースされた「TOKYO通信〜Urbs Communication〜」が非常にカッコよく、私のSOUL'd OUT熱に再び火がついたのだが、それを上回るレベルの名曲を発表してきたのだから、本当に恐ろしいグループだ。
確かMTVの「MONTHLY FACE」という番組だったと思う。初めてこのPVを見た時の衝撃ときたら。こんなバケモノじみた曲をよくもまあ作れたものだ。もう何から何までカッコいい。
ストリングスとシンセとDiggy-MO'のピアノから始まるイントロ。最初からセンチメンタル全開であり、プレゼントのリボンをゆっくりと開けるようなワクワク感がたまらない。そしてDiggyの語りが入り、ストリングスがアクティブなフレーズを弾いたと思ったら、そこから入る「叫べ刹那のMelody」という熱い最高のサビ。ブラスセクションとスラップベースが入り、いきなり興奮がピークになる。しかしこのサビは4小節だけ歌って終わり、美味しいところは後のお楽しみとしてAメロに入る。もうこの時点で神曲なのよ。
Diggyのヴァースでは「alive」や「Dream Drive」やら過去にリリースした曲名が出てきたりして、「今をつなぎとめる大切な友の愛に俺はベストを尽くすぜ 届けミュージック」とくるので、このシングルがSOUL'd OUTの集大成なんじゃないかと思わせられる。「ああ 儚き夢よ 俺はきっと暗闇の中で何かが輝く瞬間を探していたんだ」と、「俺(=Diggy?)」はここまでの人生を振り返って、「追い求めて叶わない」未来を探して暗闇の中で苦しんでいた心境を吐露する。そして「こんなにも激しく破壊的な夜には がんじがらめの魔法を解き放って」と、その暗闇を打破するように自分自身に言い聞かせるのだ。
そこから再びサビの「叫べ刹那のMelody」とくる。「何も失わずに手に入れたものなどくれてやる」の熱さたるや…!色々なものをここまで来るのに失ってきて、悩み苦しみながら生まれた「刹那のMelody」。Diggyはそれをここで叫ぶ。「EVEN IF I LOSE MY VOICE, I DON'T STOP TO BUT」とあるように、たとえ声が出なくなっても「I JUST SHOUT AT ALL」とばかりに叫び続ける。Diggyの覚悟と意志がここにそびえ立っているのだ。
Bro.Hiのヴァースは星々どころか時空を超える旅路のようで、SFチックなものになっている。「遠ざかれ過去の断片よ」というように、時間が速すぎるスピードで過ぎているのが人生だ。しかしそれでも「This is so long trip Are you ready to go!?」と、この長い旅に足を踏み出していく。「時に迷い 己を咎めたりだろ…?」というところは、Diggyと同じで、生きていく上での悩みや迷いを示している。それに対しYou know that it is so no doubt! Believe in yourself!」と力強く叫ぶのは、これもDiggyと同じだ。なんというか、DiggyとHiが互いに励まし合ってSOUL'd OUTとして突き進んできたことを表しているようだなと思ってしまう。次のフックでも「きっとかけがえのないものほど すぐ傍にあるものさ」と歌っており、それは見つけた「刹那のMelody」であり、「確かに誓い合ういつもの仲間」でもあるのだろう。熱いなあ…。
DiggyとHiの掛け合いが見られるヴァース(Cメロ)では、客を大いに煽るようなフレーズが敷き詰められている。ライブ感が強いパートだ。そしてDメロで「いつの日からか心を閉ざしていた 出逢えた人の優しささえ邪魔になってやり切れずに」と歌うDiggy。過去を振り返って自分の弱さをふと見つめる。しかしこれはそんな自分との決別であるのだ。
ラストフック。紡ぎ出した「刹那のMelody」が聴いている人の心に届くことを願うSOUL'd OUT。「時には孤独に震える夜もあるけど」と、決して心が弱くなることを否定しない。そして「それでもまだ 止まらないこの街でまた明日を信じれるのなら 今はそれだけでいいだろ」と、少しの希望しかなくても、それを力強く肯定してくれるのだ。そして最後に「ほら 俺達の星が力強く煌めいてる」と、希望の先を指し示してこの歌は終わる。
先述の「MONTHLY FACE」でメンバーが語っていたように「ECHO, ECHO」の部分もライブでレスポンスしやすいように作ってあり、とにかく盛り上がる曲だ。メロディーも歌詞の持つパワーもとにかく凄い。これだけ熱いリリックを乗せるShinnosukeのトラックも切なさと強さが備わっており、曲として完璧なバランスとしか言いようがない。100点満点なんですよ。自分の青春時代に聴いた曲という補正もかかり、これを超える曲って出てこないんじゃないかっていう、そんな感じ。
SOUL'd OUTのラストライブの最後の曲はこの曲だった。人気投票で一位だったこと、そして曲の持つメッセージ性から、このグループを締めくくるのに相応しい一曲だったのだ。
ちなみに私はカラオケでSOUL'd OUTをよく歌うのだが、確か一番最初に歌ったのがこの曲だった気がする。いきなり100点から始めちゃったわけですよ。ええ、歌うのは難しかったのですが。