ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

Status Quo/Burning Bridges (On and Off and On Again)

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Status Quoというイギリスのハードブギバンドがいる。活動開始が1962年で、今年で結成60年という超大ベテランながら、今でもアルバムを出して精力的に活動しているレジェンドバンドだ。「Status Quo」というのは“現状維持”という熟語だそうで、まさにこのバンドのためにあるような言葉ではないだろうか…。

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唯一のオリジナルメンバーでフロントマンのFrancis Rossi。こんなカッコいい72歳がいてたまるか

私はすかんちの「YOU YOU YOU」という曲が好きで、その曲のイントロがStatus Quoの曲をサンプリングしているという話を後に聞き、ポロロッカ現象のごとく彼らに辿り着いた。

一聴きでわかるUKロック感だが、Status QuoがUKロックらしいのではなく、UKロックの礎を作ったのがStatus Quoなのだから当然だ。このブギのシャッフルビートがどれだけのミュージシャンに影響を与えたのだろうか。

 

コードはシンプルなもの4つを多く回して使っている。ちなみに元々はイギリス民謡の「Darby Kelly」がベースにあるようだ。

「Burning Bridges」というのは日本語でいうところの“背水の陣”と同じ意味があるらしい。なるほど、確かに燃えている橋なんて渡って戻れないもんな。その後の歌詞もなかなか熱血的な内容であり、要約すると「何度も傷ついて挫折して全てが奪われても、その度私は立ち上がる」というものである。こんなにもご機嫌な曲調なのに、なんとまあスポ根チックな歌なのだろうか。

 

CDジャケットは冒頭に貼ったものなのだが、実はこの曲のレコードジャケットは別にある。なぜかマイク・タイソンを写したものなのだ。

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この曲が発表された1988年は、まさにマイク・タイソンの全盛期である。Status Quoがタイソンと関係があったという情報はないので、このスポ根ソングはマイク・タイソンの圧倒的な強さにインスパイアを受けたStatus Quoが、非公式応援ソングとして作ったのだと考えることができる。何が凄いって現役を引退しているとはいえ、マイク・タイソンもまた“Status Quo”なところだよね。