ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

オナペッツ/大天使

官能的なシンボルを自称しているのでしょうか。すごい名前ですよね、オナペッツって。

 

美大出身でドラァグクイーンの彼女達がデビューしたのは1994年。2枚目のシングルでなぜか浅倉大介プロデュースになり、この「大天使」という曲を発表したわけでして。

いいですねえ、このジャキジャキとしたカッティングギターとJD-800ピアノのコラボの90年代浅倉節。T.M.Revolutionを始める前の、accessっぽさがありつつも、accessにあるワイルドさが薄い感じ。歌声と歌詞の持つ特質なんですかね。

 

Bメロといいサビといい、JDピアノのバッキングが歌詞と合っているところが、リズミカルで好き。何気に二人の持つ声色は高低差もあって、個性が分かれてるんですよね。基本的に二人の声は揃っているんだけど、エモーショナルなところでちょっとズレもあったりして、そこがいい。サビの「STARDUST KISS」をどれだけ気持ちよく歌うか、という感じがするのも良き。一音ずつ上がっていくのがね、一番いいところで溜め打ちを放つみたい。

 

歌詞は貴水博之でも井上秋緒でもない、オナペッツのメンバーである宝ルビーによる作詞。ちょっとaccessに寄せてるというか、この二人がなんとなくaccessファンなんだろうな、と思わせるんだけど、隠し切れないセンスが出ちゃってるっていう。だって「愛の使者」というキューピッドのような存在を歌った曲のタイトルが「大天使」なんだもの。しかも宇宙の話まで出てきて、もうスケールが大きすぎるんですよね。このセンスは今までの浅倉曲になかったような気がする。

 

なので浅倉節全開ながらも、大ちゃんを左右で挟んで独自のセンスをトッピングしたらこうなるんじゃないか、という異色の作品なんだと思う。