ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

10-FEET/1sec.

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10-FEETと出会ったのは、2009年の何月だったか、スカパー無料の日に撮りためたPV集。Hi-STANDARDに影響を受けたであろうそのバンドが当時発売したばかりの新曲が、この「1sec.」である。

PVに出てくる食べ物の量は、歌詞の中身に比べて小食気味である

2008年のアメリカ西海岸ツアーで出た食事のボリュームが凄まじく、ついパクパクと食べてしまい、パンパンに太っていった時のことを歌った曲なのだとか。歌詞にもピザやらコーラやらステーキやらが登場し、ここまでハイカロリーな歌詞もなかなかないだろう。

 

この曲の面白いのは、ひたすらに愚直に前へ突き進むその曲調である。最初はラップ調のボーカルから入り、サンプリングされたようなフルートの音が鳴る。「Shout in the free!」の叫び声が終わると両サイドからハードなギターが流れ込んでくる。この曲はイントロから最後までほとんど4つのコードしか使っておらず、それをひたすらに繰り替えすだけなのだが、どういうわけか単調に感じない。ギターの音は重厚で、8ビートでシンプルに弾く時もあれば時に素早いカッティングをかき鳴らすこともあり、非常に表情豊かである。

 

途中にブレイクダウンするような間奏が入るのだが、そこで突然レゲエテイストになり、それはまるで満腹の時の倦怠感をイメージさせるようである。そしてそこから「まだまだ食べるぞ…!」と戦線に復帰するようにまた元の曲調に戻り、最後まで突き進んでいくのだからたまらない。最高にカッコよく、ライブで盛り上がる一曲だということは間違いない。


この曲が収録されているアルバム「Life is sweet」は、彼らのそのひたすらにまっすぐ突き進んでいく当時の雰囲気が十二分に詰め込まれた傑作であると思う。

 

もう10年以上前になるが、この曲を無理やり和訳したサイトがあって、「Yeah! No!」の部分を「はい!いいえ!」と訳していたことに爆笑した覚えがある。いや、そうはならんだろと。