ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

August Burns Red/Meddler

私はメタルが好きで自分でも作るほどであるが、いつかこんなバンドっぽい感じの曲を作ってみたいなあと思っているのがアメリカのメタルバンドAugust Burns Redである。そしてその中で最も好きなのが「Meddler」という曲だ。

なんてわかりやすいメタルコアなんだろう。シャウトとデスボイスと僅かなクリーンボイスで最初から最後まで突っ走る。冒頭からとにかく疾走感溢れるビートで叫びまくり、ヘドバンが入るところでメンバーのリズムが揃い、間奏はメロディアスなギターソロが入り、Jakeのボーカルが後を追って混じり合う。

 

そして1:14~のブレイクダウンが綺麗にキマる。聴いている人が一番欲しいところでストンと落としてくれるのが最高。それでもメロディアスなリフは変わらず、叙情的に訴えてくる。2:06~あたりで少しテンポが戻り、急に朝日のような明るい雰囲気を帯び始め、そのままラストに向かうのか…?と思いきや、2:53~で再びのブレイクダウンで最後まで向かっていく。お見事としか言いようがない。

 

「Meddler」というのは“お節介”という意味だそうだ。「We'll feed our flame before wasting time on everyone else's」とあるように、「他者に時間を使う前に自分自身に火をくべる」という、なんとも難しい言い回しを使っている(この訳でいいのだろうか?)。ところが「The gallows were not supposed to look like this」というように、なぜか「絞首台はこんなはずじゃなかった」という。他人に時間を使わないはずなのに、こんな感じで死を迎えることに、死の前に気づいたのだろうか。そこから自問自答のように苦悩を抱えているからか、ボーカルはひたすらに荒々しいのだろう。

 

そして曲の後半では「Everyone together, we will strengthen ourselves」とまで歌っている。「みんなで力を合わせようぜ!」的な感じだろうか。この歌詞が出てくるのは上記の2:06~の部分であり、ここで悟りを開いたかのように、人間は助け合って生きていくという真実に気づいたからこそ、曲調も明るくなるのだろう。つまりこの曲は「Meddler」を肯定しているのだ。互いに「Meddler」として支え合おうということだと、私は勝手に解釈している。

 

そんな青春ソング(?)を歌うAugust Burns RedのボーカルJake Luhrsは、この曲を歌っていた頃は細身だったが、肉体改造を続けた結果2017年にはこんな肉体になっていた。

バキに出てきそうな風貌であるが、こんないかつい人が「Meddler」だったら怖くて仕方ない…。