ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

JAPAN-狂撃-SPECIAL/朝日

何が凄いって、まずグループ名のインパクトよね。「狂撃」と書いて「くるう」と読むんだもの。それを「JAPAN」と「SPECIAL」で挟むという、特盛セット感。一目見たら忘れられないだろう。

 

そんな暴走音楽結社JAPAN-狂撃-SPECIAL(以下狂撃)は、わかりやすい暴走族の世界観と、攻撃的なビートの曲を引っ提げてメジャーデビューし、2000年代を駆け抜けていったパンクバンドだ。今回紹介する曲は、そんな彼らのラストシングル「朝日」である。

本当はイカしたPVがあるのだが、なぜか暴れまくっているライブの映像しか残っていない

聴いてもらえばわかるかとおもうが、攻撃力とスピードにステータスを全振りしたような勢いの曲が彼らの特徴なのだ。シンプルなコードしか使っていないのも頷ける。といってもインディーズの頃より(これでも)エモーショナルな曲調になっていたりする。

 

なんといっても歌詞がエモい。「この一瞬だけに命を賭け 朝が来るまで叫び続けた」という歌詞から、夜道を単車で爆走する彼らの世界観がハッキリと浮かんでくる。その後に「INSTANT LIGHT」「INSTANT FIGHT」「INSTANT NIGHT」と韻を踏むのだが、どれも彼らの放つ疾走感にピッタリと合っており、それでいて儚げで美しいのだ。

 

二番では「クレイジーデイリーライフ また始まる日々…」と綴る。これは週末の曲であり、平日が始まっていく切なさも歌っているのだ。それでも「朝日はまた昇る」と、まだ見ぬ次のステージ目掛けて、日々走っていく彼らのスタイルを表している。

 

狂撃の曲はインディーズの頃の刺々しいものも好きだし、メジャーにいって風格さえ漂い始めたものも好みだ。しかしこの曲は彼らの今まで見せなかった部分を表したようで、そしてこの曲がラストシングルという切なさも加味して、今も一番のお気に入りだったりする。

 

ボーカルのキワメミチJUNZØとドラムの昭和過激が結成した後続の「ニュータウン御意見無用バンド」というバンドもあるのだが、こちらも活動休止中である。あれから十年以上の時を経て、令和の時代に風穴を開けてくれるような神風暴走結社の復活を期待しているのだが、果たして朝日はまた昇るのだろうか…。