ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

ザ・クロマニヨンズ/タリホー

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私はTHE BLUE HEARTS↑THE HIGH-LOWS↓も詳しく知らない。父が好きではなかったのか、家で聴こえたこともない。自分でCDをいつか掘り下げるだろうと思って、それっきりだ。しかしクロマニヨンズは違う。自ら見つけてハマっていったバンドだ。

 

初めてこのバンドを知ったのは、スペースシャワーのCMだったような覚えがある。なんかのライブの出演者と宣材写真一覧が表示される中、なぜかサルだかゴリラだかわからないような絵とともに「ザ・クロマニヨンズ」とのみ書かれた彼らを見た。「BEAT CRUSADERSのような顔を隠して活動するバンドかな?」と思い、特に調べたりすることもせず、それっきりであった。しかし私の知らないところですでに彼らの正体は言及されていたようであり、それが甲本ヒロト氏と真島昌利氏の新バンド「ザ・クロマニヨンズ」だったのだ。

 

それから少ししてタリホーのPVを見た。

PVがなかったので、テレビでのライブ映像

極限までシンプルに削ぎ落としたロックンロール。コードも簡単なものしか使っていない。真島氏はろくにギターソロなど弾かず、ひたすらにコードをかき鳴らしている。彼らは当時40歳をすぎていながらも、この動きである。色々な武器を使ってきた結果、素手で戦い始めた武闘家のようでカッコいい。歌詞は抽象的とかいう範疇を越えて、もはや意味を勘ぐることもできないレベルだ。クロマニヨンズとしての一歩を踏み出す所信表明かな?と私は思っている。

 

クロマニヨンズはコードもシンプルで歌詞もわからなくて、なぜかモノラルで録音されているアルバムが多い。しかし新しい曲が発表される度「そのコード進行でこんなカッコいい曲ができるのか…」と溜息をつかされる。年齢を重ねても衰えが感じられず、いくつになっても「自分のままで」初期衝動を貫き通すロックンローラーの奏でる音だからこそ、これほどまでに人の心を動かすのだろう。