ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

T.M.Revolution/BOARDING

f:id:majaraka:20210503144456j:plain

fripSideガルネクが好きな私は、その源流である浅倉大介氏の曲も当然ながら大好きだ。その浅倉氏の曲の中でお気に入りを一つ挙げるとしたら、T.M.RevolutionのBOARDINGだろう。

 

T.M.Revolutionといえば、西川貴教氏のソロプロジェクトかつセルフプロデュースであるが、それまでは浅倉氏のプロデュースであり、WHITE BREATHHOT LIMITなどの今も語られるヒット曲を連発してきた。その浅倉氏最後のプロデュース曲がこの曲である。ジャケットはなぜか金髪リーゼントで、すでに筋トレを始めてマッチョになっており、ピンクのスーツが似合わなくなっていたとか。

12.8万枚を売り上げた割にあまり語られることのない(少なくともファン以外では)曲だが、切なくもそれでいて元気づけられる名曲だと個人的に思っている。歌詞を見る限り「もう僕らは旅立てる」「そうここから旅立つんだ」というように、新しい一歩を踏み出していく姿が描かれており、この後セルフプロデュースになっていく西川氏の心情と重ね合わせているものなのかもしれない(PVから旅立ちの様子が全く感じられないが)。

 

90年代後半はイケイケの曲調が多かった中で、BOARDINGは異質だ。アコギやストリングスのフレーズが所々で印象的に鳴り響く。もちろんスネアの跳ね具合やベルの音色をしたシンセの入るタイミング、バリバリのディストーションギターは健在だ。なんというかまるで誰かが作ったバラードを浅倉流にアレンジしたような、落ち着いた一曲である。

 

ここから西川氏は一年後にシングルを一枚出した後、ガンダムなどのアニソンに接近していくことになる。アニメとT.M.Revolutionとの相性は抜群であり、今も活動を続けている。セルフプロデュースになってから迷いもあったのだろうが、これも巡り逢いだったのだろう。