ガラパゴスからの船出

時代の潮流から随分外れた島に浮かぶ音楽ブログです。お気に入りの曲(2000年代後半が多め)の感想や好きな部分をひたすら垂れ流します。

Shakin' Stevens/Love Attack

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なかなかの偶然が私の音楽観の根っこを作った。

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私が生まれて初めてハマったのはTHE TIMERSだったのだが、初めてハマった洋楽ミュージシャンはShakin' Stevensというイギリスの人物である。

 

日本では知名度があまりないミュージシャンだ。知っている人に出会ったことがない。だから何年か前にトヨタのCMで彼の別の曲が採用された時は驚いた。だがイギリスではヒットチャートに何度も名前を轟かせ、アルバムも10枚以上出している実力派である。

 

父方の叔父が結婚した時、イギリスに新婚旅行へ行った。音楽好きな私の父に対して、叔父はどういう基準かはわからないものの彼のアルバムを選んだ。日本では知名度のないそのCDは海を越えて父の下に届き、そこにいた私も聴いたというお決まりのパターンである。

 

曲としては昔ながらのロックンロールに、80年代ユーロビートっぽい四つ打ちのドラムが絡む、ご機嫌に踊れるロックである。私はこの曲も含めたこのアルバムにドハマりしてしまった。

 

後で知ったことだが、どうやらこのアルバム「There Are Two Kinds of Music... Rock 'n' Roll」は彼の作品の中でもかなり異色なもののようだ。元々彼はロカビリーやらブギ系のロックを主体とするミュージシャンだったのだが、17枚目のこのアルバムでStock Aitken WatermanのエンジニアであるPete Hammondがプロデュースに回った。急なユーロビート路線は、そのためである。つまり実験作だったというわけだ。そう考えると、このアルバム名も納得がいく。

 

 それまでの彼を知っていたファンはどう思ったのか知らないが、遠く離れた日本のチビっ子のハートは確実に射止めた「Love Attack」であった。歌詞を和訳するとかなり官能的なのだが、知ったことではない。